海外進出における成功の3つのキーポイント
前回のブログでは、日本企業が海外進出する際にありがちな思い込み海外との違いについてご紹介しました。今回はそれを踏まえ、成功のキーポイントについて3つご紹介します。
- 適切な事前調査
まずは事前調査をきちんと行うことです。調査というと、真っ先に顧客データに目を向けがちですが、進出先でのビジネスパートナーも同じくらい重要です。
適切のビジネスパートナーは当地のビジネスノウハウを知っており、当地への進出を正しい道へ導いてくれます。その強い味方を見つけるためには、その業界の進出先当地での業界構造を理解しなければなりません。
国有企業が主な産業セクターを独占したり、政策により海外企業の新規参入が禁止されたり、日本とは業界構造が異なる場合があるかもしれません。業界構造が確認できたら、次はアプローチ可能な企業の選定に入りましょう。
市場を調査する時、将来を含めた確実性を100%まで追求しないことも重要です。調査の一つ一つは市場の全体像ではなく、あくまでその片面に過ぎないことを常に意識しましょう。
もちろん、リード(見込み客)と潜在顧客の声にも耳を傾けましょう。自分の商品・サービスが求められているかどうか、そのポイントは何なのかを、お客様目線で考え、消費者の購買動機を理解するのが、市場への入り方について分析するのにとても大切になります。
ビジネス環境という外在的な点を検討する前に、自分のビジネス及び商品の特長と弱点を知ることから切り込む方法もあります。
既存の思い込みを捨て、ビジネスパートナーと顧客両方についての客観的・計画的な市場調査は、海外進出成功への鍵になるでしょう。
- 失敗を恐れずトライする
キーポイントの2つ目は失敗を恐れずにトライすることです。
市場調査の結果に基づいて、トライアルプランの立案及び実行、結果の分析、自社のビジネス・商品にとってより適切なビジネスモデルへ修正していく事が必要です。
例えば、消費者の購買習慣がインフルエンサーを経由するのがメインだという調査結果を得た場合、
選択:インフルエンサーマーケティングの会社と連携したり自身でインフルエンサーにアプローチし、様々な角度からインフルエンサー販売を促進;
分析:各インフルエンサーの売り上げを記録し、視聴者層の違いなどと購買率の関係性について分析;
拡大:分析結果に基づき戦略を調整、購買率の良いインフルエンサーに資源を集中したり、他のインフルエンサーに声掛けをし販売を拡大;
という3つの段階を繰り返せば、ビジネスモデルを段々と最適化していくことができます。例え現在のビジネスモデルが安定していても、激しい市場変化に柔軟に適応して勝ち抜くために、ビジネスモデルを定期的に見直しましょう。
- 資金調達
市場調査にも、トライアル進出にももちろん資金が必要です。各項目の費用を事前に把握し、必要な投資は躊躇なく行う事が後々の利益拡大に繋がります。
ただし、他の投資と同じく、大金を投資しても必ず理想的な結果が出るとは限りません。
この点を理解した上で、自社のビジネス・商品が進出するのにどの程度の資金が出せるかを事前に設定しておきましょう。
ビジネスパートナーの選択もプロジェクト全体に深く関わってきますので、予算以外にも実績や評判も重視しなければなりません。できるだけ多くの選択肢を作り、自社にとって一番コストパフォーマンスのいい組み合わせを選びましょう。
事前調査・トライアル・投資、これら3つはどれも成功するビジネスにとって不可欠な要素です。バランスよく実施していくことで、海外進出の成功近づくことが出来るでしょう。
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市場調査は本当に必要?進出時に留意すべき海外との5つの違い
ビジネスのグローバル化がトレンドとして叫ばれるようになってから長い時間が経ちますが、海外進出は未だに企業の高いハードルとなっています。海外進出には多くの落とし穴があり、それが進出の足かせになっている場合が見受けられます。
そこで、このブログでは海外進出の際の基本となる市場調査の必要性と陥りやすい失敗について解説します。
まず、未知の市場である海外に自社商品を輸出する場合、このような事を考えていないでしょうか?
・「日本製」だから必ず気に入ってもらえるだろう;
・日本国内で大人気だから海外でも大丈夫だろう;
・商品の独自性が海外顧客にも受け入れられるだろう;
・日本で実績があるから海外での資金調達もできるだろう;
しかし、日本と海外ではビジネスに関わる全てが異なると考えるべきです。日本と海外の主な違いを5つ挙げるとすれば以下の通りです。
1. 言語:
英語やヒンディー語など文字表記が全く違う言語はともかく、中国語は日本語の漢字と似ているように見えます。しかし同じ文字で全く違う意味を持つ言葉は少なくありません。例えば、日本語の「以上・以下」は数字それ自身も含まれますが、中国語では含みません。含めたい場合は「或以上・或以下」を使います。
2. 法律:
国にはそれぞれ違う法律があり、地方にもまた違う条例があります。海外での人材雇用、出店などをする場合は特に注意する必要があります。
3. 顧客:
お客様の文化や習慣の違いから、同じ商品でも国・地方によって受ける客層・ターゲットも異なる可能性があります。
4. 商習慣:
タイでのビジネススピードは日本の3倍以上だったり、香港では欧米と同じくビジネスでは相手のことを苗字より先に名前で呼んだり、日本との商習慣が異なります。
5. 常識:
時間に対する感覚の差、室内で靴を履くか履かないかなど、日本での常識が世界には通じない場合があります。
ひとつひとつは小さな違いに見えます。しかしそれが大きな誤解に繋がる可能性があり、全く違う環境と考えた方が無難です。
思い込みを捨て、事前にきちんと市場調査を行っておくことで、海外進出の多くの落とし穴を回避できます。では市場調査は具体的にどのようにやればいいのか、次回のブログでご紹介したいと思います。