人工肉に商機!菜食主義がグローバルの飲食トレンドに

近年多発している豚熱や鳥インフルエンザ、長々と続くコロナ禍で、人々は自身の健康以外にも、世界中の食糧危機と食物連鎖などの問題への関心を高めています。飲食面では、健康志向や環境保全、動物愛護といった観点から肉や魚を食べないヴィーガンやベジタリアン(菜食主義者)が国を問わずに増えている傾向が見られます。

「人工肉」はその問題や需要を解決すべくこの十年間急速に発展し、市場規模が2024年までに120億USDに達する予測も出ています。

この記事では、今急速に発展している人工肉とその商機についてご紹介します。

人工肉とは?

人工肉は、主に三種類に分かれています:

・植物由来の食肉代替品(代替肉):大豆やキヌアなど植物性原料を使い、肉の食感に近づけた食品

・培養肉:動物の個体からではなく、可食部の細胞を組織培養することによって得られた肉

・発酵食品:微生物などの発酵作用を使って生産される食品


どちらも動物の屠殺が避けられ、従来の動物飼育に伴う土地の使用、温室効果ガスと水質汚染を削減することができ、その持続可能性で近年では世界中に注目されています。

現時点で人工肉の技術で一番生産されているのは牛肉と豚肉の二種類で、鶏肉と魚肉の生産量はまだ少なめです。

世界での人工肉トレンド

菜食主義の流行により、世界の菜食主義者は2019年に4億人を超えました。WorldAtlasによる世界各国の菜食主義者人数ランキングのトップ10ははインド(38%)、イスラエル(13%)、中国(12%)、イタリア(10%)、オーストリア・ドイツ・イギリス(同9%)、ブラジル(8%)、アイルランド(6%)とオーストラリア(5%)です。

人工肉市場は急速に拡大しており、アメリカのLux Researchは人工肉の市場規模が2024年までに120億USDに達すると予測し、バークレイズ、UBS、JPモルガン・チェースなどの世界金融大手は人工肉の市場規模がこれからの10年に毎年31%の成長率で成長すると見込んでいます。

代替肉の製造・開発のために2011年に設立されたインポッシブル・フーズ社は2019年までに7億5000万USD以上の資金調達に成功しています。インポッシブル・フーズ社のIMPOSSIBLE BURGERは、アメリカのバーガーキングでの販売を始め、2019年9月からはカリフォルニア州のスーパーでの販売も開始し、一般の消費者も生の状態で購入できるようになっています。2020年10月、同社は次年度中に研究開発チームを倍増させ、新製品開発を加速するために100人以上の科学者を雇用する計画を発表し、2035年までに動物性食品の必要性を排除することを目標にかかげています。

さらなる発展が見込まれることや環境保護促進などの理由により、人工肉業界は多くの投資家に注目されています。2017年より人工肉業界では既に5.4億USDの資金が集まっています。その中でもシンガポールのテマセク・ホールディングス、スイスのUBS、香港屈指の富豪李嘉誠(Sir Li Ka-shing)が社長のHorizons Ventures、マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツなど多くの有名組織や著名人が人工肉業界に投資しています。

今後の普及が期待できる培養肉と発酵技術

植物由来の代替肉と比べてまだ普及していない培養肉においても、著名人投資者が投資を始めています。有名俳優のレオナルド・ディカプリオは培養肉を開発しているオランダのMosa Meat社とイスラエルのAleph Farms社に投資し、2社の顧問にもなっています。「Mosa Meatと Aleph Farmsは世界の牛肉需要に応えられる新しい解決策を講じており、現在の集約畜産における問題を解決できると思う」とディカプリオはコメントしています。

比較的注目されていない発酵食品の技術でも近年は大きな発展があります。フィンランドのSolar Foods社は空気中の二酸化炭素、水素とミネラルを微生物で発酵させ、乳清タンパク質の製造に成功しました。その生産方法は従来の大豆生産の土地の2万分の1しか使わず、生産中には温室効果ガスをほぼ排出しません。Solar Foods社は去年大規模な工場を設立し始め、2023年より大量生産できる予定となっています。

世界で躍進する人工肉業界、中でもアジア、日本、シンガポールと香港の市場ではどう動いているのか、次回の記事でご紹介したいと思います。

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