シンガポール進出の第一歩!シンガポールの事業体種類一覧

シンガポールへ進出するにあたって、パートナーシップ(Partnerships)や法人(Company)など様々な拠点設置方法を選ぶことができます。

現在シンガポールに進出している日系企業においては、現地法人(Local Company)の形態が一番多く、その他には支店(Branch of a Foreign Company)と駐在員事務所(Representative Office)の形態での進出も一般的です。

今回の記事では、シンガポールでの各事業体について簡単にご紹介します。

シンガポール会計企業規制庁による事業体の分類

シンガポール政府の会計企業規制庁(Accounting and Corporate Regulatory Authority、ACRA)によると、シンガポールでの企業の事業構造は下記の4種類に分かれています:

・個人事業主(Sole-Proprietorship)とパートナーシップ(Partnership)

・有限パートナーシップ(Limited Partnership、LP)

・有限責任パートナーシップ(Limited Liability Partnership、LLP)

・法人(Company)

 個人事業主(Sole-Proprietorship)
概要・一人の自然人が行うビジネス
・無限責任であり、法律上個人と事業は分けていないため、事業上の債務や損失について個人的に責任を負う
登録条件・18歳以上のシンガポール国民、永住権者または起業家パス(EntrePass)保有者
・オーナーがシンガポール居住者でない場合は、シンガポール居住者である代表権者(Authorized Representative)の指名が必要
設立費用・name application fee(初期のみ):15SGD
・登録手数料:100SGD(1年間有効)もしくは160SGD(3年間有効)
税金事業所得は、オーナー自身の個人所得税として課税
継続性・オーナーが生存かつビジネスを継続する意欲を持つ限り、ビジネスは存続
・オーナー自身による登録解除でビジネスを中止可能
 パートナーシップ(Partnership)
概要・2名から最大で20名までの自然人であるパートナーで構成
・20名を超える場合は適用せず、会社(Company)の形態による設立が必要
・無限責任であり、個人事業主と同じく独立した法人格がないため、事業上の債務や損失について個人的に責任を負う
登録条件・18歳以上のシンガポール国民、永住権者または起業家パス(EntrePass)保有者
・オーナーがシンガポール居住者でない場合は、シンガポール居住者である代表権者(Authorized Representative)の指名が必要
設立費用・name application fee(初期のみ):15SGD
・登録手数料:100SGD(1年間有効)もしくは160SGD(3年間有効)
税金事業所得は、パートナー自身の個人所得税として課税
継続性・ビジネスの存続にはパートナーの合意が必要
・パートナーによる登録解除でビジネスを中止可能
 有限パートナーシップ(Limited Partnership、LP)
概要・2名以上のパートナーで構成、人数上限はない
・パートナーは自然人のみでなく法人(CompanyかLLP)も可能
・最低1名の無限責任パートナー(General Partner)と、1名以上の有限責任パートナー(Limited Partner)が必要
・独立した法人格がない
・無限責任パートナーは無限責任で事業上の債務や損失について個人的に責任を負う;有限責任パートナーが個人的に負う責任は合意した責任割合を超えない
登録条件・18歳以上(自然人の場合)
・無限責任パートナーが全員シンガポール居住者でない場合、シンガポール居住者であるローカルマネージャー(Local Manager)の指名が必要
設立費用・name application fee(初期のみ):15SGD
・登録手数料:100SGD(1年間有効)もしくは160SGD(3年間有効)
税金事業所得は、パートナー自身の個人所得税(自然人)または法人所得税(法人)として課税
継続性・ビジネスの存続にはパートナーの合意が必要
・有限責任パートナーが存在しなくなる場合、LPとしての登録は新たな有限責任パートナーが加入するまで一時停止され、会社法(Companies Act)ではなく事業登録法(Business Registration Act)に基づいたパートナーシップの登録とみなす
・登録解除でのビジネス中止やLPの解散は無限責任パートナーのみ可能
 有限責任パートナーシップ(Limited Liability Partnership、LLP)
概要・2名以上のパートナーで構成、人数上限はない
・パートナーは自然人のみでなく法人(CompanyかLLP)も可能
・18歳以上のシンガポール居住者であるローカルマネージャーが最低1名必要
・独立した法人格を持ち、パートナーの責任は全員有限
・事業上の債務や損失等の法的責任はLLP自らが負い、パートナーは自らの責において生じた債務や損失については個人的に責任を負う
・会計事務所や法律事務所など専門家集団向けのビジネス形態
登録条件・18歳以上(自然人の場合)
・国籍制限は特にない
設立費用・name application fee:15SGD
・登録手数料:100SGD
税金事業所得は、パートナー自身の個人所得税(自然人)または法人所得税(法人)として課税
継続性・解散・登記抹消しない限り、永続的に存続
・裁判所の命令に基づく強制清算、株主による会社が自発的に行う任意清算、もしくはACRAによる登記抹消手続きがある場合、LLPは解散となる

会社・現地法人(Company)

設立手続きが支店の設立より簡単で、低税率の現地法人税率(17%)が適用されるため、進出するのに一番選ばれているビジネス形態となります。

ACRAの定義によると、会社(現地法人)というビジネス形態はさらに7種類に細かく分類されており、それぞれの違いについては次回のブログでご紹介する予定です。

下記は全種類の会社が共通する点です:

概要・独立した法人格を持ち、メンバーと管理者の責任は全員有限
・事業上の債務や損失等の法的責任はLLP自らが負い、パートナーは自らの責において生じた債務や損失については個人的に責任を負う
登録条件・最低1名の株主と、最低1名の18歳以上のシンガポール居住者であるローカルマネージャーの指名が必要
・シンガポール居住者でない者がLocal Directorになるには、EntrePassの申請が必要
設立費用・name application fee:15SGD
・法人設立手数料:300SGD
税金事業所得は、会社の法人所得税として課税
継続性・解散・登記抹消しない限り、永続的に存続
・裁判所の命令に基づく強制清算、株主による会社が自発的に行う任意清算、もしくはACRAによる登記抹消手続きがある場合、会社は解散となる

その他のビジネス形態

上記でご紹介したACRAが定義した事業形態以外、ビジネストラスト、支店(Branch of a Foreign Company)や駐在員事務所(Representative Office)の形態もよく進出に使われています。

支店(Branch of a Foreign Company)

海外会社のシンガポール支店を設立するために、シンガポール居住者を代表者に指名しなければなりません。企業が現地法人である子会社を設立せずに支店形態を選ぶ場合、当該支店はシンガポールにおいて独立した法人格を持たず、海外にある親会社と同一の法人格として取り扱われるため、支店はシンガポールの現地法人ではなく外国法人として扱われます。

また、支店の登記や代表権者(Authorized Representative)の設置義務などシンガポールの会社法に基づいた条例や公開責任に従う必要があり、その上本店所在地国の会社法の規定にも従う必要があります。

駐在員事務所(Representative Office)

海外会社が事業を開始する前にシンガポールでの潜在的なビジネスチャンスを現地で調査する場合、駐在員事務所(Representative Office)が選択の一つとなります。駐在員事務所という形態を取った海外のビジネス実体は、恒久的施設の設立を決定する前にシンガポールのビジネス環境にアクセスすることができます。

しかし、駐在員事務所は一時的な設立で独立した法人格が承認されないため、営利目的の活動は禁止されています。

駐在員事務所の設立については、ACRAではなく、基本的にシンガポール国際企業庁(IE Singapore)が所轄当局となります。

ビジネストラスト(Business Trust)

ビジネス· トラスト法(Business Trust Act)に基づき規制・信託証書により設立され、企業と信託の両方の要素から成る複合型の組織形態です。

ビジネストラストは独立した法人格を持っていません。投資家・受益者は、事業の信託受益権を購入する形で出資を行い、法律上、ビジネストラストのユニットの所有者となります。一方、事業信託の対象である資産の法律上の所有者は、受託者である事業経営者となり、受託者は受益者の利益のために事業信託の管理・運営を行い、事業上の利益を受益者に対して分配することとなります。その特性につき、特定の事業目的のために管理・運用され、不動産ファンドやゴルフ場などにはよく利用されています。

所轄当局はシンガポール通貨金融庁(MAS)です。

今回はシンガポールでの事業形態各種を簡単にご紹介しました。今後は会社・現地法人(Company)の詳細と、現地法人と海外会社の支店のメリット・デメリット比較についてもご紹介する予定です。

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