急成長!コロナ禍で拡大中のフードデリバリー業界
以前の記事でもご紹介した通り、フードデリバリーはレストランにとって重要な収入源になりつつあります。香港のフードサービス業界では現在食事デリバリーとのコラボレーションに注力する企業が増加しています。実は香港のみでなく、コロナ禍においては世界中でフードデリバリーの急成長が見られます。ドイツの消費者データ専門のstatista社の予測によると、世界中のオンラインでのフードデリバリー部門の売上は、2022年に約3,392億米ドルに達する見込みです。その上、年成長率が8.29%と予測し、2026年までに売上が約4,664億米ドルに達すると見込んでいます。
今回の記事では2015年に香港に設立、現在香港では半分のマーケットシェアを占めているDeliveroo社を例として、香港でのフードデリバリー業界の実態と香港消費者の利用傾向についてご紹介します。
フードデリバリー市場の動向と消費者インサイト
2021年1月に行った香港市民1,000人を対象とした「Censuswide survey」と2021年12月に香港のDeliveroo顧客800人を対象とした「the Share of Stomach report」の調査結果から、香港の消費者に以下の傾向が見られることがわかります:
・食事が香港人にとって、ウェルビーイングに欠かせない一部
71% の回答者が、「自分の食べるものが精神衛生に重要な役割を果たしている」と回答し、64%がコロナ禍の中、お気に入りのレストランに注文することが幸福感やウェルビーイングに寄与していると回答しています。
・香港人は食事を注文する際、健康や味覚を優先
65% が「栄養レベルを管理したい」と回答し、コロナ禍での店内飲食制限などが自宅で食事をするきっかけとなり、以前より栄養を重視するようになっていることが推測できます。
香港消費者の38% が、デリバリーを選ぶ際に最も重要な要素として「風味と味」と回答し、30%の消費者が、自分の食事制限に関して条件を満たしているかを考慮し、26%の消費者が「専門的な知識を有する料理人が調理してほしい」と答えています。
・半数以上の香港人がデリバリーサービスに頼るようになっている
78%の香港消費者がコロナ禍以来、少なくとも週に一度はフードデリバリーサービスを利用しています。香港人は2020年、フードデリバリーサービスに月平均1,324香港ドルを支出、2019年と比較して21%増加しました。55%の香港消費者は過去1年間にフードデリバリーやテイクアウトを注文する回数が増え、その上、75%の香港人がフードデリバリーサービスを今よりもっと定期的に利用するようになると回答しました。
・香港人はアジア料理を好み、オンライン注文できる便利さを享受
香港人が中華以外の外国料理で一番好んでいるのは日本料理(45%)で、韓国料理(36%)とタイ料理(22%)も多くの香港人に好まれ、舌の肥えた香港人はアジアの国々や地域を旅行するかのように様々な味覚を楽しんでいます。
家では作れない外国料理も多いので、それが理由でオンライン注文を利用している消費者が29%います。その他、コロナ規制で大ダメージを受けているお気に入りのレストランを支援するためにオンラインで注文している消費者が27%、自宅で調理するのが面倒と感じる消費者が24%います。
・平日と週末のオンライン注文傾向が異なる
週末の注文の多くはディナータイムに集中しています。夕食では大人数での利用が一般的なので、消費額が昼食の消費額より20%高く、週末の場合、消費額が平日より更に10%高いです。
逆に平日は仕事の合間での昼食利用が多く、個食ミールボックスが非常に人気で、日本料理ではお弁当の注文数が特に多いです。
では、飲食業界はどうやってDeliveroo社などのオンラインプラットフォームを利用して事業の成長と拡大を実現できるか、次回の記事でご紹介したいと思います。
]]>