外国からの入境者の強制検疫を年末まで延長

香港政府は、22日と27日に記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染拡大が収まる気配を見せないことから、防疫措置の延長・強化を発表した。

外国からの入境を禁止する政策は2020年12月31日まで行う。香港政府は今年の外国人による観光を事実上、断念したことになる。ほかにもマスク着用義務の強化、公衆での集まりは最大で2人とするなどが組み込まれた。

具体的には下記の通りとなる。

(8月4日記) 香港政府は8月3日に、午後6時以降の店内飲食禁止、マスク着用義務付、公共の場での集合制限、施設の営業停止を8月11日まで延長することを発表した。

入境者に対する強制検疫措置を延長

● 中国、マカオ、台湾からの入境者に対する検疫に関する規則(第599C章《若干到港人士強制検疫規例》)の有効期間を9月7日まで1ヶ月延長した
● 外国からの入境者に対する検疫に関する規則(第599E章《外国地区到港人士強制検疫規例》)の有効期限を12月31日まで延長した
● これまで隔離12日目に検体を提出する必要があったが、感染者増大を受けて検査に時間がかかっているため、2日早めて10日目に検体を提出させる方針を明らかにした。開始時期は未定

マスク着用義務の強化

● マスク着用義務付けの追加措置として、8月4日まで、着用場所に屋内外の公共施設やバスターミナル、バス停などの乗り換えエリアが追加されたが、2歳未満と合理的理由のある者は免除される
● 地下鉄などの公共交通機関に乗車する場合は既にマスク着用が義務付けられているが、8月4日まで延長した
● 違反者には2,000~5,000香港ドルの罰金が課せられる

公共の場での集合制限を2名までに変更

● 8月4日まで、公衆での集まりを禁止する「限聚令」は4名から2名までに変更した。但し、同居家族や自家用車内、同じ交通機関の中では免除される

ハイリスク地域に米国、カザフスタンを追加

● ハイリスク地域(バングラデシュ、インド、インドネシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、南アフリカ)からの入境者は25日より、搭乗72時間以内に英語か中国語でのPCR検査陰性結果証明と最低14日間以上のホテル滞在の予約確認の提出が義務付けられた
● 29日からは感染拡大が止まらないアメリカとカザフスタンがハイリスク地域に加わった

スポーツ施設とプールの営業停止

● 8月4日まで、ゲームセンター、サウナ、スポーツジム、アミューズメント施設(ビリヤード場、ボウリング場、アイススケートリンクなど)、公共の娯楽施設(映画館、劇場など)、パーティールーム、バー、パブ、ナイトクラブ、カラオケ、雀荘、エステとマッサージは既に一時営業停止となっていたが、新たにスポーツ施設とプールが加わった

日本人全体の感染者数も増加している中、日本から香港にコロナウイルスが持ち込まれたケースが2例発生した。陽性が確定したのは、17日の全日本空輸(ANA)の成田国際空港発の便に搭乗した61歳男性と香港居民の42歳男性。日本から香港に感染が持ち込まれる例が増えれば、入境制限のみならず、ハイリスク地域に組み込まれる可能性もある。

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