香港から日本にスマートフォンを送るには?
最近、新しいiPhone12が発売されましたが、香港で購入したiPhoneを日本に送りたいとお考えの方も多いと思います。そんな時に問題になるのがリチウムイオン電池の取り扱いです。
リチウムイオン電池(Lithium Ion Batteries)とは、充電を行うことで繰り返し使用できる、性能劣化しにくい寿命の長い電池です。MACなどのラップトップコンピューター、スマートフォン、カメラなどの携帯型電子機器に内蔵されています。
今回は香港から日本にリチウムイオン電池内蔵の機器を送る際の注意点をご紹介します。
そもそもどこの会社から送れるの?
まず、香港でよく使われる配送業者は以下の5社です。
– 香港郵政 (公共事業体)
– DHL
– SFExpress
– FedEx
– UPS
香港郵政は5社の中で配送費が最も安いですが、リチウムイオン電池を送る事が禁止されています。但し、機器からリチウムイオン電池を取り除くと送ることが出来ます。品名欄に「リチウム電池なし」と記載する事が必要です。
参考リンク
https://www.hongkongpost.hk/en/sending_mail/no_posting_da/index.html
その他の4社、DHL、SFExpress、FedEx、UPSはリチウムイオン電池を送る事ができます。会社によりガイドラインが異なりますのでご注意ください。
会社名義で送れるの?
会社名義で送る場合は、輸出入の許可証を申請しなければいけません。個人名義で送る場合は、許可証の申請が不要です。
申請表:
https://www.ofca.gov.hk/filemanager/ofca/common/electronic_services/licenses_application/a121.pdf
申請方法詳細:
https://www.ofca.gov.hk/filemanager/ofca/common/electronic_services/info_note/I187_18_en.pdf
個人名義では、リチウムイオン電池単体を送ることは禁止されていますが、リチウム電池を内蔵している機器であれば送る事が出来ます。カメラの場合、以下のようになります。
⭕️カメラの中に電池なし
⭕️カメラの中に電池を入れている状態 (最高100 Watt Hours*)
❌カメラから電池を取り除き、別々に梱包
会社名義の場合は単体でも送ることが可能です。
梱包方法は?
香港郵政を除く4社、つまりDHL、SFExpress、FedEx、UPSは梱包サービスを提供しています。送りたい物を店舗に持ち込めばスタッフが梱包してくれます。会社により別料金になる場合があります。
一つのパッケージには最大2つのバッテリーしか含めることが出来ません。iPhone3台を送りたければ梱包は2つに分ける必要があります。
送る際にインボイスは必要?
送付先の税関で関税がいくらかかるかを計算する為、送る物のインボイスの提出を要求される可能性があります。配送会社によって、ガイドラインが異なります。(経験上、SFExpressとUPSは必須、DHLは状況による事が多いです)
リチウムイオン電池に関する規制が厳しくなった背景には、過去に起きた深刻な事故があります。
2010年9月3日に、リチウムイオン電池を積載していたUPS6便が墜落しました。火元は貨物室のリチウムイオン電池でした。更に、2011年7月28日にはアシアナ航空991便が火災で墜落した際の火災の原因もリチウムイオン電池でした。これらの事故をきっかけに、ICAOはリチウムイオン電池の航空輸送に新しい安全基準を適用しました。
スマートフォン1台送るだけでもなかなか大変な事になるのも頷けますね。
弊社では香港、シンガポールを中心としたアジアビジネスに関するアドバイス•サポートを提供しております。ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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