香港、中国都市ランキングトップ3から陥落

中国国務院系シンクタンクの中国発展研究基金会と4大会計事務所のPwC(プライスウォーターハウスクーパース)がこのほど共同で発表した中国の各都市について行った考察・評価の報告書「中国のチャンスある都市2020(Chinese Cities of Opportunity 2020)」で、香港は前年の3位から一気に6ランク下がり、9位に陥落しました。トップ10は1位から順に北京、上海、広州、深セン、成都、南京、杭州、武漢、香港、鄭州となっています。

この報告書が考察の対象としたのは中国の42都市となります。評価ツールには10の考察の視点(知的資本・イノベーション、技術の成熟度、主要地域都市、都市の強靭性、交通機関と都市計画、持続的な開発、文化と生活の質、経済的影響力、コスト、ビジネスのしやすさ)が含まれ、経済発展、社会民生、都市インフラなどさまざまな側面をカバーします。これと同時に、今年は特に医療衛生、都市における生産の安全、自然災害、公共の安全などの視点から都市の強靭性を考察しました。アナリストで分析した結果を、ランキング形式で公表しています。

香港は都市の強靭性(医療、防災、公共安全を含む)では1位、主要地域都市では4位、経済的影響力では4位、ビジネスのしやすさでは5位、コストの評価で最下位(42位)と評価されています。

PwCの中国管理コンサルティング部のパートナーの金軍氏は「香港の順位下落は、他の中国都市の急成長が主な理由である」と説明しています。「最新の研究によると、規模という点でも発展の質という点でも、北京、上海、広州、深センの4都市は今や名実ともに中国の『超一線都市』であり、世界的にもそれぞれ影響力をもっている」と指摘し、「この4都市は世界レベルの都市と肩を並べられる都市であり、都市の集約効果の典型的な現れでもある」と述べました。同時に、ここ数年急速に発してきた「新一線都市」の成都、南京、杭州、武漢、鄭州もベスト10に入り、発展の原動力と人材誘致力を十分に備えていることを示しました。

また、香港樹仁大学の経済学部のトーマス・ユン助教授は、「都市の強靭性で香港が1位となったのは、資本主義の採用および面積の小ささにより、他の中国都市よりも柔軟性が高いことが理由だろう」と分析しています。

詳細は「Chinese Cities of Opportunity 2020」の元データでご確認いただけます。
https://www.pwccn.com/en/research-and-insights/chinese-cities-of-opportunities-2020-report.pdf

「中国のチャンスある都市2020」 順位

順位都市
1北京 (0)
2上海 (0)
3広州 (↑1)
4深セン (↑1)
5成都 (↑2)
6南京 (↑4)
7杭州 (↓1)
8武漢 (0)
9香港 (↓6)
10鄭州 (↑4)

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