香港、日本を含む国とトラベルバブル交渉

香港政府は、新型コロナウイルスの緩和を受けて多くの国と「トラベルバブル」の交渉を進めている。

トラベルバブルとは、社会的、経済的に結びつきの強い国・地域同士が、ひとつの大きなバブル(泡)の中に入り、その枠組みの中で新型コロナ感染を防止しつつ、一定の条件での相互間協定を結び自由な往来を認めることである。

政府はトラベルバブルに関して、これまでに日本、タイ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、フランス、スイス、ドイツ、シンガポールの11カ国と交渉に向けた作業を進めている。邱騰華(エドワード・ヤウ)商務・経済発展局長は、「これらの国々は状況を適切に管理していて、日本とタイについては政府間の2国間・地域間レベルで接触している」と協議を進めているとし、「国によっては行動範囲が限定される可能性がある」と述べた。

協議の中では、「渡航者は出発前に検査結果の証明を所持していること、到着後も空港などで再び検査が必要になるという話が出ている」とした。ビジネスマンのみを対象にするのか、観光客を含めるのか、陰性の結果は何日前から有効なのかなど、細かな話し合いを進めているという。相手国の検査態勢や感染状況などさまざまな兼ね合いがあり、すぐ決められるものでもないため、「話し合いを継続していく」と語った。

日本

現在、香港を含む159の国と地域からの入国者は、特段の事情がない限り、日本への入国を拒否されるが、9月からは、PCR検査で陰性であるという条件で、在留資格を持つ全ての外国人が日本への再入国や再出国が可能になった。

これに続いて、9月18日時点で8つのアジアの国と地域はトラベルバブルの対象となり、日本政府は香港を含む他の15の国と地域とも交渉中。トラベルバブルは長期居住者と短期ビジネス旅行者が対象で、PCR検査で陰性であるという条件で、入国後14日間の自主隔離は必要。

香港の日本領事館は、香港政府との交渉は進行中と述べたが、その詳細の開示を拒否した。

タイ

タイは現在、労働許可証の保有者らを除き、外国人の入国を厳しく制限している。タイへ入国する人は、タイ人か外国人かを問わず全員が指定の施設やホテルでの14日間の隔離を義務付けられ、施設からの外出は一切許されていない。

タイ政府は低迷する経済を立て直すために、10月からのプーケット島での外国人観光客受け入れを再開したいという考えだが、9月3日に103日ぶりに国内感染が発生したこと等から沙汰止み状態になる。

タイが香港の最初のトラベルバブルになる可能性が高いかどうかについて、ヤウ局長は双方が状況を常時把握する必要があると答えた。

タイ王国総領事館の経済部門は、タイと香港の間で協議を進めていると述べた。

シンガポール

シンガポールは9月から、中国、台湾、マレーシアなどの低リスク国・地域からの外国人観光客の入国制限を緩和し、入国時の隔離期間を14日間から7日間に半減した。ニュージーランドとブルネイに対し、到着時に空港でPCR検査を義務付けるが、入国時の隔離を不要とした。それ以外の入国者は引き続き、指定宿泊施設で14日間隔離をして、隔離期間終了前に検査を受ける必要がある。

香港のシンガポール総領事館は、トラベルバブルに関する国との協議に関心があるという香港政府の発表を歓迎すると語り、シンガポールと香港の間の旅行を再開することは相互に利益をもたらすことができると付け加えた。

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