香港富裕層調査、15人に1人が億万長者

シティバンク香港(Citibank)が香港の富裕層を調査する「Hong Kong Affluent Study 2019/2020」を発表し、2020年5月時点で1,000万香港ドル(約1億3,600万円)以上の資産を持つ人(以下:億万長者)が50.4万人(香港人口の15人に1人)に達したと伝えました。この結果は2019年に比べて91,000人(△22%)増加していますが、2018年の51.1万人よりは減少している傾向です。

調査は昨年11月から12月にかけて及び今年3月から5月にかけて、21歳から79歳の香港市民3,500人以上を対象に、コンピューターを使った無作為抽出で電話調査を実施しました。同銀行が同様の調査を行ったのは今年で17年目であり、富裕層に関する報告書を発表したのは今年で6年目となります。

調査によると、億万長者の56%が男性で平均年齢は58歳、44%が女性で平均年齢は57歳であり、その中で仕事をしていない人は54%とのことです。その中の10.6万人は、1,000万香港ドル以上の流動資産(不動産を除く)を持ち、資産の中央値は1,700万香港ドルで、2018年の1,630万香港ドルより4.3%増加しています。

また、資産で最も多かったのは不動産で総資産の78%を占め、それ以外は現金・預金(10%)、株式(6%)、ファンド・債券(4%)などとなるようです。ほとんどの億万長者は株式と外貨(人民元を含む)を保有しており、ファンド、債券、貴金属、オプション、先物などが続きます。なかでも、株式、外貨、人民元が普及率の最も高い3つの投資手段です。

億万長者の80%近くが今後12ヶ月の不動産市場について悲観的な見通しを示し、前年比で8ポイント増加しており、不動産市場の様子見姿勢を反映していますが、現在は物件購入のタイミングだと考える人が増えています。

シティバンク香港のリテールバンキング部門の最高経営責任者のジョセフィン・リーは「投資家は、市場全体のセンチメントと短期的な社会的出来事に基づいて資産の価値を推測しました」と言い、「世界各国の政府が新型コロナウイルス対策の景気刺激策を講じているため、2019年と比べて投資家の感情はよりポジティブになります」と述べました。

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