KOLとは?今香港でトレンドになっているライブコマース

コロナ禍で世界中の人々の消費行動が変わりました。インターネット、オンラインショッピングの日常生活との融合が加速し、EC(電子商取引)は益々発展してました。

香港のVS MEDIAが香港市民のコロナ禍での消費行為について調査した所によると、75%以上の回答者が「KOL」と呼ばれる人たちのおすすめ商品やサービスを信じていることがわかりました。

「KOL」はこれからのポストコロナ時代でも影響力を発揮し、「ソーシャルコマース」や「ライブコマース」という新しい消費行為を発展させていく見込みです。

「KOL」とは?「ソーシャルコマース」「ライブコマース」とは?

香港でよく聞く「KOL」という言葉は英語「Key Opinion Leader」の略語で、中国語では「網紅」、日本ではインフルエンサーとも呼びます。

スポーツ選手やタレント、ファッションモデルなど特定分野の専門家はもちろん、最近では主にインターネット上で大きな影響力を持つ一般人やブロガー、YouTuberなどのことを指しています。

「ソーシャルコマース」とはSNSとECの組み合わせで、お客様がSNSで気になる商品を見つけた際に、そのままSNS投稿から商品購入ページに移動してもらい、商品・サービスの販売促進を行う手法です。

その中でも、「ライブコマース」は、KOLがライブで商品の実物を手に取って紹介したり、実際使って見せたりするので、従来の宣伝方法よりも消費者の信用が得られるという意見もあります。2021年10月20日、中国のオンラインモールTaobaoでのトップKOLの一人のライブでの売り上げは1日106.53億RMB(約1881億円)もあり、ライブコマースの盛況が見て取れます。

スマートフォン・インターネットの普及率が90%以上になっている香港

ソーシャルコマースもライブコマースも、消費者のインターネットの使用が不可欠となっています。では、現在香港でIT関連の普及率はどうなっているでしょうか?

香港統計処が発表した「香港的女性及男性主要統計数字 2021年版」の調査結果によると、2020年10歳以上の香港市民で、過去12か月以内にパソコンを使ったことがあると回答したのは79.8%、スマートフォンを持っている人口は92.1%で、これからもパソコンより安くて使いやすい、持ち歩けるスマートフォンが香港での主流になるでしょう。

インターネットの普及に関しては激しい成長が見られます。同対象の92.4%が調査前12か月以内にインターネットを使ったことがあると回答し、2001年の僅か43.3%より倍以上の成長を見せました。

また、15歳以上の香港市民で個人的にオンラインショッピングを利用したことのある人の比率は、2001年の5.6%から2020年の43.1%に、20年間でおよそ8倍に成長しました。

NielsenIQ社のデータから見ると、香港の世帯でのネット消費はコロナ禍が始まる直前の2019年と比べ2020年に46%の成長が見られます。消費者の2020年ネット消費回数は75%増加し、消費金額は52%増加、同時期実店舗で消費した金額の2.5倍になりました。

香港市場でのオンラインショッピング・KOLトレンド

VS MEDIAが2021年7月に18~45歳の香港市民を対象に行った「消費者網購及KOL影響力意見調查」(消費者のオンラインショッピング及びKOLの影響力に対する意見調査)のオンライン調査によると、香港人がオンラインショッピングに使った平均金額は月2,673香港ドル、およそ39,000円になり、商品やオンラインショップのネット上の口コミを従来より重視する傾向があるとのことです。

90%以上の回答者はKOLが紹介する製品やサービスに興味があると回答し、その中でレストランやグルメ情報が総合的一番人気で、女性に一番人気の分類はコスメ・美容とサービス、男性に一番人気なのは電子製品です。

80%以上の回答者はライブコマースの配信を見たことがあり、その魅力について以下の点を挙げています:

・ライブ配信期間限定の割引とキャンペーン

・実演で商品への理解が深まる

・ライブ配信中の数量限定の商品

・商品のセールスポイントが正確に伝わる

・商品に対して実用的な情報がある

など

78%の回答者はKOLの配信内容が面白ければ、間接広告の要素があってもあまり気にしないと回答し、73%は例えその内容に広告や商業でのコラボレーションがあると知っても、KOLのおすすめや体験シェアを信じる傾向があるとのことです。また、77%の回答者はアイドルや芸能人のおすすめよりもKOLが薦めた製品やサービスを信じており、87%は製品がKOLのお墨付きがあればトレンドの目印になると思い、購買意欲が高まるという意見です。

一方、約65%の回答者は自分の趣味やスキルでKOLになることに憧れていると回答し、その原因は主に働き方の自由度が高いにもかかわらず高収入を得られるという点です。しかし、約70%はKOLになるのに必要な条件と機材が分からない、75%は企業が撮影から制作までワンストップのサポートサービスを提供した方がKOLになる意欲が上がるという意見がありました。

ITの普及率がどんどん進んでいる今の時代、従来の紙媒体・テレビでの広告の効率が低下しつつあり、これからはインターネット主導の時代になる傾向が予測できます。その中で特にKOLの影響力を利用したソーシャルコマースとライブコマースが若年層の購買意欲を高める効果が見られ、今後のマーケティング戦略に取り入れておくべき項目になっています。

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