注目!コロナ禍で自動化技術関連製品や家電に商機

香港のスマートホームアクセサリー(IoT家電)は新製品の発表とコロナでの在宅増加傾向により、家電のデジタル化需要が増え、セールスも急増しています。調色可能の電球に変えたいという市民もいれば、平均の消費金額が30%弱増えたという店舗もあります。

一方、同じくパンデミックの影響で抗ウイルス・殺菌技術への需要が増え、香港のスタートアップとの連携で技術と製品の可能性を最大化している企業もあります。

今回の記事では、コロナ禍で需要が高まっている自動化技術関連製品について、市場の現状と企業の実例をいくつかご紹介します。

普及し始めているIoT家電

4年前からMeross社のスマートIoT家電を入荷しているSynergy Tech(HK)社の製品経理Evan氏によると、近年ではApple社のHomekit製品の普及により、IoT家電の売上が伸び、市場にも様々な新製品が発表されています。例えばスマートコンセントは当初ペットの魚用の水槽向けのものでしたが、現在では一般家庭や身体不自由者などにも広く使われており、最近ではスマートロック、スマートコンセントとスマートスイッチも大人気になっています。コロナで人々の在宅増加はIoT家電のセールスを更に加速していますが、ウェハの供給不足の影響で全体的な売上予測は困難とのことです。しかし、Synergy Tech(HK)社のデータでは平均の消費金額が30%弱増加しており、パートナー企業の売上も好調です。

MOMAXの創業者とCEO鄭冬生(John Cheng)氏によると、2年前にIoT家電を発表し始めてから、コロナで人々の外出が減少し、買い物もオンラインショッピングが全体売上の約20%を占めており、コロナ対策のスマート製品の売上も連動して増加しました。製品の中でスマート空気清浄機シリーズが特に人気で、住宅以外にも、飲食店、コロナ対策の指定タクシー、養護施設、隔離ホテルなどに利用されています。John Cheng氏は8月に配布される予定の消費券に対応する支払い方法の増加が売上を伸ばすと見込み、オンラインショップでプロモーションをする予定とのことです。

スマートホームセキュリティ製品への問い合わせが増加

HKT社のHKT Home取締役蔡煒健(Derek Choi)氏が、IoT家電の技術が成熟し価格が安くなっていることから、中小型住宅用IoT家電への問い合わせが増えているとコメントしました。中でもスマートフォンでの操作性についての問い合わせが一番多く、最近ではIoT家電を含めたセキュリティソリューションについての問い合わせも増加しているとのことです。Derek Choi氏によると、HKT smart livingは170件以上の住宅プロジェクトにIoT家電のソリューションを提供しており、中でも新住宅とリフォームでのソリューションについての問い合わせが共に増加しています。

Everbest Technologies Ltd社の製品経理Esther氏は、「弊社は4年前からLifeSmartのIoT家電ソリューションを提供し、始めの頃はワイヤレスで操作可能なIoT家電に装飾性を求める客が大部分だったが、近年ではスマートカーテンやスマート照明など実用性の高い製品の需要が高くなっている」と述べています。

IoT家電トレンドで成功に実体験の必要性

将来のIoT家電トレンドに向けて、各企業はそれぞれのプロモーション戦略を持っています。

Synergy Tech(HK)社は製品の独特性と市場のトレンドに注目し、非政府組織(NGO)と連携し身体不自由者の需要を解決するなど自ら製品への需要を創造していくのが成功するコツだと話しています。MOMAX社はライブ販売などネットでの宣伝を増加し、消費者に自社の製品を無料で試用してもらう予定で、HKT社のHKT HomeはSNSで宣伝し、ショッピングモールでサンプルルームを設置して消費者に自社製品の効果を実体験してもらう方向です。Everbest Technologies Ltd社は展示即売会、ECショップでの販売や実例映像を通じて宣伝する方針です。

香港のスタートアップとの連携で製品の可能性を最大化する

紫外線の除菌技術は水処理施設などでの産業用途がメインでしたが、コロナの流行で「人が生活する空間」向けの新しい市場が生まれ、光応用製品専門のウシオ電機社が開発した、人体に無害な波長の紫外線を使った抗ウイルス・殺菌技術「Care222」の製品への問い合わせが突如殺到し、開発・量産計画が2020年から一気に加速しました。

室内に設置すれば即使用可能な小型のCare222ユニットは日本で約6,000台の販売実績があり、医療施設や商業施設、高齢者施設を中心に、欧米や中国でも導入実績が出始めています。

香港分社のUSHIO HONG KONG LTD.社は香港地元のスタートアップ、2018年設立のスタートアップECOBAY TECHNOLOGIES LIMITED社と連携し、香港市場向けの製品を開発しています。ECOBAY社の技術的なバックグラウンドやスタートアップならではのスピード感が決め手で、昨年の4月頃から協業を始めたとのことです。

世界初の空港採用、香港政府からも高い関心

ECOBAY社との提携と前後して、香港空港管理局(AAHK)からUSHIO HONG KONG社への問い合わせが入って、空港からコロナウイルスが市中への流入を防ぐために「Care222を全面的に導入したい」という内容でした。ECOBAY社も交えた協議を重ねた結果、1台目の手荷物カート用の殺菌設備が今年4月に香港国際空港に納入され、ウシオ電機社にとっては世界初の空港へのCare222納入となりました。

現在はカート用設備の追加のみでなく、エリア・用途の殺菌設備の導入も提案中とのことで、今回の実績を皮切りにアジアのその他の空港への納入も視野に入れる方向になっています。

香港では空港以外にも、幼稚園や病院、ショッピングモールにCare222製品の導入実績があり、中国の方針に沿って厳しいコロナ対策を実施している香港政府もCare222に高い関心を示しています。政府ビルのエレベーターでは、開閉ボタンなどにウイルスを塗布してCare222の効果を検証する試験を実施し、エレベーターや政府機関内の立ち入り制限区域などで導入する検討が進んでいるとのことです。

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