香港のシティスーパー、華潤集団に売却へ

香港の4大中資系企業グループの1つ、華潤集団を筆頭とする企業連合が香港の高級スーパーマーケット「シティスーパー」を買収することが明らかになった。シティスーパーのトーマス・ウー社長は先日全従業員に送信したメールで、華潤集団とのシナジー効果に期待し、今後中華圏での事業展開を加速していくと語った。

華潤の企業連合はシティスーパーの株式65%を約23.4億香港ドルで買収し、取引が今年第4四半期に終了する見込みだ。華潤の企業連合がシティースーパーの買収に成功すれば、シティースーパーは中資系スーパーとなる。

現在、シティスーパーはアパレル販売などを手掛ける日系「フェニックスグループ(三黄集団)」が60.92%、残りの39.08%は海港城などを保有する大手デベロッパー「九龍倉集団」の親会社で香港有数のコングロマリット「會徳豊」のトップを務める呉光正氏が保有する。

2019年6月に始まった逃亡犯条例改正案で小売業を取り巻く経営環境は悪化し、シティスーパーもその影響を受けていた。売却話は今年1月に出ていたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大したため、話し合いの進行が遅れていた。

シティースーパーは高級スーパーとして、1996年12月に銅鑼湾時代広場に1号店をオープンし、香港では4店舗展開している。「Wellcome」などの庶民的な店ばかりだった香港だが、シティスーパーの登場は香港人のライフスタイルに大きな影響を与えた。シティスーパーの後を追うように「GREAT」「3hreeSixty」「Taste」などの高級スーパーが登場したのはその証といえ、香港にとって大きな話題となっている。

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