AI、スマートシティが話題独占!香港のIT展示会「InnoEX」第一回開催

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香港政府が新しく開催した第一回「InnoEX(香港国際イノベーション・テクノロジー展示会)」の情報をご紹介します。
公式サイトはこちらになります:
https://www.hktdc.com/event/innoex/en

香港SAR政府と香港貿易発展局(HKTDC)が共同主催の第一回「InnoEX」、及びHKTDC主催の「Hong Kong Electronics Fair (Spring Edition)」と「Hong Kong International Lighting Fair (Spring Edition)」には、合計160以上の国と地域から66,000人以上のバイヤーが集まりました。

その中で、InnoEXは、アジア(43%)や香港(40%)からの参加者が多く、取締役やCEOなどの経営者(52%)が半数以上を占めています。また、ビジネスの分野はイノベーションの専門家や開発者、テクノロジー企業、スタートアップなど幅広く、金融機関や投資家も参加しています。イノベーションに関心を持つビジネスリーダーやエグゼクティブが集まっており、中国やASEANと世界を結ぶ国際的なイノベーションとテクノロジーのハブとして、香港が急速に発展していることを示しました。

HKTDC副総裁のSophia Chong氏は、「3つの技術フェアに20の国と地域から約3,000の出展者が集まり、革新的なソリューション、最先端技術、電子製品を幅広く紹介し、地域や業界を超えたビジネスチャンスを創出した」とコメントしています。「今回の成功は、香港がイノベーションとテクノロジーの国際的センターとして全速で発展していこう決意を反映しており、国際貿易・展示センターとしての香港の地位を再確認しました。」

AI、スマートシティ、メタバースが話題を独占

フェアでは、InnoEXフォーラムの「Under 30 – Tech Trends Symposium for the Next Generation(次世代のための技術トレンドシンポジウム)」、アジア照明フォーラムや「France in the Game – Sustainable Development for the Cities of Tomorrow(明日の都市のための持続可能な開発)」など、50以上のイベントが行われました。AI、スマートシティ、メタバースに関する議論では、多くの業界関係者が参加しました。

Addo AI社CEOのAyesha Khanna博士は、InnoEXフォーラムで「Winning with AI: How Innovative Leaders Drive Growth(AIで勝つ:革新的なリーダーはどのように成長を促進するか)」について講演しました。彼女は、AIアシスタントが先見性のあるリーダーにイノベーションと市場へのスピードの両方で競争優位性を与え、人間が戦略的かつ創造的な思考をするための潜在能力を増幅させる可能性を強調しました。しかし、新しいAI技術は、リスクを管理するためにガバナンスと規制が必要であり、欧州連合(EU)、中国や米国などがAI革命を支えるためにAIガバナンスが必要だと考えています。

講演では、未来学者で戦略コンサルタントのMatthew Griffin氏が、テクノロジーが様々な産業に与える影響について語りました。変化のスピードがリーダーを圧倒しており、全業界が新しいテクノロジーやビジネスモデルによって破壊され、今後10年間で約50兆ドル相当のGDP価値が破壊されると推定されています。しかし、同じ変化によって210兆ドル相当の新しい価値が生み出されると推定され、企業が新市場に進出し収益を10倍にする機会がかつてない程多くなります。「この機会を捕えるために、企業は自身の業界外にある新しいテクノロジーやコンセプトを探求・実験し、リスクを取ることに慣れ、新しいビジネスモデルを受け入れ、実行の専門家になる必要がある」とGriffin氏が述べました。

I&T業界の8割以上が、今後1~2年で売上が伸びると予想

HKTDCは1,000人以上の出展者とバイヤーに対して、今回開催された3つのイベントそれぞれについての調査を行いました。

結果、回答者の大多数が事業展開や売上について楽観的な見方をしており、InnoEXでは回答者の75%が今後の半年間~1年間に全体の売上が増加すると予想し、86%が今後1年~2年の間に売上が増加すると予想しています。回答者は、イノベーション分野における香港の主なメリットとして、多文化且つ熟練した人材が多数、クリエイティブなテクノロジーソリューション、中国と世界を結ぶ仲介者としてのユニークな役割を強調しました。

多くの企業がASEAN市場への進出に力を入れており、現地の出展企業に調査したところ、38%がASEAN市場への進出を試み・計画しているとのことです。一方、グレーターベイエリア(GBA)への進出を計画している回答者は31%で、その89%がGBA市場での開業に前向きであることがわかりました。また、香港と中国政府による政策的支援、中国や国際企業の協力意欲、香港と他のGBA都市の補完的なメリットの活用が、香港のイノベーション企業がGBA市場を開拓するのに有利であると、多くの出展企業回答者は考えています。

スマート製品への需要、ITフェアでの商談が盛り上がる

InnoEXで、中国のShanghai Yuweia Technology Co., Ltd.はバーチャルリアリティ(VR)製品を展示し、国内外のバイヤーから高い評価を受け、日本、カナダ、アメリカ、インドネシア、シンガポールなどからの注文が殺到したとのことです。同社は、最新の製品を世界中の消費者に提供するために来年もInnoEXに参加意向です。

「ASEANスマートシティ開発ラウンドテーブル」では、ASEAN諸国・中国・香港の政府関係者が出展者と会談し、スマートシティの関連技術への投資について意見を交換し、政策やアイデアを共有しました。

展示場では香港企業・中国企業が科学教育目的にデザインしたおもちゃ、ワイヤレスチャージャー、AIの運転サービス、家庭用の防犯カメラなど、イノベーション・テクノロジーに関する様々な製品・サービスが展示されていました。
下記の写真は会場で展示されていた製品の一部になります:

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